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反りウェハ搬送とは?基礎知識から課題、最新の搬送技術まで専門家が徹底解説

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反りウェハ搬送とは?基礎知識から課題、最新の搬送技術まで専門家が徹底解説
半導体製造や精密電子部品の製造現場では、年々ウェハの大型化・薄型化が進み、「反りウェハ(そりウェハ)」の搬送が大きな課題となっています。
通常の平面ウェハに比べて、反りがあるウェハは真空チャックが効きにくい、吸着面積が不安定、搬送中にズレや破損が起きやすいといった課題が多くあります。
そのため、「反りウェハ搬送に対応した装置の選定」が、調達・購買部門にとっても重要なテーマとなりつつあります。

この記事では、「反りウェハ搬送とは何か」という基本知識から、最新の搬送技術、選定のポイント、圧力制御の重要性まで、購買・調達担当者が知っておくべき内容を分かりやすく解説します

2025年現在、なぜこれほどまでに「反りウェハ搬送」がクローズアップされるようになったのでしょうか。
その背景には、半導体市場の活況と、それに伴う製造技術の高度化があります。

AIサーバー向けのGPUや高帯域幅メモリ(HBM)、そしてEV(電気自動車)向けのSiC(炭化ケイ素)パワー半導体など、最先端分野での需要が半導体市場全体を牽引しています。
これらの半導体は、性能を極限まで高めるために、ウェハの大口径化(例:SiCの6インチから8インチへの移行)と極薄化が不可欠です。

市場調査会社のレポートでも、ウェハ薄化装置市場は今後数年間、高い成長率を維持すると予測されています。
しかし、ウェハは薄く、大きくなるほど、製造工程で加わる熱や応力の影響を受けやすくなり、「反り」や「うねり」といった変形が深刻化します。
この「反りウェハ」の増加が、従来の搬送技術の限界を露呈させ、新たなソリューションの必要性を高めているのです。

ウェハに反りがあると、なぜ搬送が難しくなるのでしょうか。主なメカニズムは以下の通りです。

・吸着不良

従来の真空吸着方式では、ウェハと吸着パッドの間に隙間ができ、真空がリークします。
これにより、ウェハを持ち上げられない、あるいは搬送中に落下させてしまうといった致命的なトラブルが発生します。

・破損リスク

反りウェハは、搬送時のハンドやテーブルとの接触面が小さくなり、落下や破損するだけではなく、装置に混入した破損物のカケラやパーティクルによる歩留まり低下、さらに装置は停止し生産に大きく影響します。

・位置ズレ

たとえ搬送できたとしても、反りによってウェハの重心が不安定になり、装置内で位置ズレが発生します。
これは後工程の精度に悪影響を及ぼし、製品不良の原因となります。

 

ここでは、反りウェハ搬送を理解する上で基本となる「反りウェハそのもの」と「従来の搬送方法の課題」について解説します。

「反りウェハ」とは、その名の通り、平坦ではなく湾曲してしまったウェハのことです。
反り方によって、中央がへこんだ「凹反り(Sori)」や、中央が盛り上がった「凸反り(Warpage)」などがあります。

反りの主な原因は、製造工程でウェハにかかる「ストレス(応力)」です。

・熱ストレス

成膜や熱処理といった高温プロセスにおいて、異なる材料間の熱膨張率の違いからウェハ内部に応力が生じ、冷却後に反りとして現れます。

・機械的ストレス

ウェハの裏面を研削(バックグラインド)する際などに、加工による応力が残留し、反りの原因となります。
特に薄型化されたウェハは、わずかなストレスでも大きな変形につながりやすくなります。

これまで主流だった搬送方法では、反りウェハへの対応が困難なケースが増えています。

真空吸着方式とその限界

ウェハの裏面から真空ポンプで吸引し、吸着して持ち上げる最も一般的な方法です。
しかし前述の通り、反りがあるとウェハとパッドの間に隙間ができ、安定した吸着ができません。
吸着面積を増やそうとパッドを大きくすると、かえって反りの頂点部分にしか接触せず、状況が悪化することもあります。

接触型アーム・ロボットハンドの破損リスク

ウェハの端(エッジ)を機械的なアームや爪で掴む方法です。確実に保持できる一方、接触によるパーティクル(微細な塵やゴミ)の発生や、応力集中によるウェハの欠け・割れのリスクが常に伴います。クリーン度が厳しく問われる半導体製造において、このリスクは無視できません。

 

セラミックスなどで作られた空洞一体型(多孔質)の搬送ハンドも登場しています。
弊社では搬送に適した形状と内部が空洞になったハンドを採用しております。

これにより、大きな反りのあるウェハを吸着し、搬送中の位置ズレを効果的に防ぎます。
弊社装置導入のご検討の際には、貴社ウェハが弊社の反り対応ハンドで問題なく搬送できるかを確認させていただきます。
ご不明点がございましたら、お気軽にご相談ください。

弊社の反りウエハ対策製品はこちら

https://www.tkk-air.co.jp/semiconductor/kasane_overlay.html

弊社へのお問合せはこちら

https://www.tkk-air.co.jp/product-inquiries/pdt_semi_inquiries.html



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