身近な圧力についてわかりやすく解説!生活に関わる圧力をご紹介
蛇口をひねれば水が出る仕組みから、飛行機が安全に飛ぶための高度測定、さらには美味しい食品を作る調理法まで――。これらはすべて、圧力の性質を巧みに利用した技術の結晶です。身近な圧力のメカニズムを知ることは、実は新しい製品企画や品質管理のヒントを見つけることにも繋がります。
本記事では、意外と知られていない「身近な圧力」の活用事例について、産業技術との関わりを交えてわかりやすく解説します。
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目次
圧力とは?
そもそも「圧力」とは、物体のある面に対して垂直に働く力のことです。物理学的には「単位面積あたりにかかる力(P = F/S)」と定義され、国際単位系(SI)ではパスカル(Pa)が用いられます。
私たちの生活環境において最も基本的な圧力は「大気圧」です。地上の私たちには常に約1気圧(1013.25hPa)の空気の重さがかかっていますが、体内の圧力と釣り合っているため、普段その重さを感じることはありません。
この「見えない力」を密閉空間で高めたり(加圧)、逆に抜いたり(減圧・真空)することで、産業界では切断、成形、殺菌、冷却といった様々な処理を行っています。
【生活編】意外と知らない!身近な圧力の活用事例4選
ここでは、普段の生活の中で何気なく接している現象の裏にある「圧力のチカラ」について、その原理と産業界への応用例を交えてご紹介します。
1. 飛行機やエレベーターの「耳ツン」と気圧高度計
飛行機の離着陸時や、高速エレベーターで高層階へ移動した際、耳が詰まったような感覚(耳ツン)になることがあります。
これは、高度が上がることで周囲の気圧が下がり、鼓膜の内側(中耳)と外側の気圧バランスが崩れるために起こる現象です。
産業への応用|高度測定
この「高度が上がると気圧が下がる」という物理法則を極めて精密に利用しているのが、航空機の「気圧高度計」です。周囲の気圧を正確に測定し、そこから高度を算出することで、飛行機は安全な空の旅を実現しています。
当社、東京航空計器(TKK)もこの分野をルーツとしており、過酷な上空環境でも正確に圧力を測る技術が、現在の産業用計測機器のベースとなっています。
2. 蛇口から水が出るのは給水圧のおかげ
蛇口をひねると勢いよく水が出るのは、水道管の中に常に一定の圧力(給水圧)がかかっているためです。
浄水場からポンプで加圧されたり、高台にある配水池からの高低差を利用したりして、家庭まで水が押し届けられています。
産業への応用|流体制御
もし給水圧が低すぎれば水は出ず、高すぎれば配管が破裂する恐れがあります。
この原理は工場のプラント配管でも同様です。化学プラントや食品工場では、液体原料を安定して搬送するために、ポンプ圧力と配管内圧力を常に監視・制御しています。
3. 時短調理と殺菌を叶える圧力鍋の仕組み
硬いお肉や魚の骨まで短時間で柔らかく煮込める圧力鍋。
通常、水は100℃で沸騰しますが、鍋を密閉して内部の圧力を高めることで、沸点を110℃〜120℃程度まで上昇させることができます。高温高圧で調理するため、食材への熱の通りが早くなるのです。
産業への応用|加圧加熱殺菌(レトルト)
食品製造業のお客様には馴染み深い「レトルト殺菌(加圧加熱殺菌)」も、この原理を応用したものです。
缶詰やレトルトパウチ食品は、容器を密封した後に高圧釜で100℃以上の熱処理を行うことで、常温での長期保存を可能にしています。
4. エアコンが涼しいのは冷媒ガスを圧縮しているから
エアコンや冷蔵庫が冷える仕組みにも、圧力が深く関わっています。
これらは「冷媒」と呼ばれるガスをコンプレッサー(圧縮機)で高圧に圧縮したり、逆に減圧して膨張させたりする際の熱交換を利用して温度を調整しています。
産業への応用|環境試験・熱交換技術
冷媒ガスの圧力制御は、空調機器の省エネ性能を左右する重要な要素です。
また、自動車や電子機器の耐久性をテストする「環境試験装置」においても、温度と湿度、そして場合によっては圧力を精密にコントロールする技術が不可欠となっています。
見えない圧力を測ることがビジネスを変える
身近な事例からも分かるように、圧力は「高すぎても低すぎても機能しない」繊細なパラメータです。ビジネスの現場においては、この圧力をいかに正確に測るかが、製品価値を大きく左右します。
品質安定と安全確保に欠かせない圧力計測
食品工場での殺菌不足、化学プラントでの反応不良、あるいは半導体製造における成膜不良など、圧力管理の不備は重大な品質トラブルに直結します。
また、配管やタンクの許容圧力を超えれば、漏洩や爆発といった事故につながるリスクもあります。正確な圧力計(圧力センサ)によるモニタリングは、従業員の安全と企業の信頼を守るための基本動作といえます。
IoT化で進む圧力データの活用(予知保全など)
近年では、工場内の圧力計をネットワークに接続し、データをリアルタイムで収集・分析する動きが進んでいます。
「普段と比べて圧力がわずかに変動している」といった予兆を検知することで、設備が故障する前にメンテナンスを行う「予知保全」が可能になります。圧力データは、生産効率向上とコスト削減の鍵を握る重要な資産となりつつあります。
航空技術で産業界を支える「東京航空計器」のソリューション
圧力を測る技術において、極めて高い信頼性が求められるのが航空宇宙分野です。東京航空計器(TKK)は、その厳しい基準で培った技術を産業界へ展開しています。
空の安全を守る技術を、地上の計測・搬送へ
当社は創業以来、航空機の高度計や速度計など、人命に関わる重要装備品の開発・製造を手掛けてきました。上空の低温・低圧環境下でも正確に動作するTKKの技術は、地上の産業用機器にも息づいています。
高精度なデジタル圧力計や圧力センサ、そして半導体製造工程を支える精密搬送装置など、幅広い分野でモノづくりの現場を支えています。
お客様の課題と一体になった製品開発。
「特殊な環境下で圧力を測定したい」「既存のラインに合わせた検査装置を開発したい」といったお客様ごとの課題に対し、企画段階から参画し、設計・製造まで一貫して対応することが可能です。
航空宇宙品質の技術力と、お客様と一体になった柔軟な開発体制で、貴社のビジネスをサポートいたします。
まとめ
私たちの生活は、水道、調理、空調、移動手段など、あらゆる場面で「圧力の制御」の恩恵を受けています。
産業界においても、圧力は品質、安全、効率を決定づける重要な要素です。見えない圧力を正確に「測り」、適切に「操る」ことこそが、次世代の技術開発や製品企画の第一歩となります。
東京航空計器は、空の技術で培った確かな信頼性で、皆様の圧力計測・管理に関する課題解決をお手伝いします。圧力に関するお悩みがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。



