コックピット計器・表示器
航空計器とともに成長を続けるTKK

創業者・和田 嘉衡(よしひら)
航空機には数多くの「計器」が搭載されています。英語の “instrument” の訳語として「計器」という日本語を創ったのは、東京航空計器(TKK)の創業者である和田嘉衡でした。
19世紀後半の日本には、蒸気機関をはじめさまざまな工業製品が渡来しました。こうしたなか和田は1897年頃、先進工業国の技術者からの指導やライセンスなどに頼らず、独力で国内初の圧力計の開発に成功します。正に「日本の計器の父」と言えるでしょう。
1937年に設立された東京航空計器では、創業当初から定針儀、水平儀、旋回計といったジャイロ計器や昇降計、磁気コンパスなど、航空計器を開発・製造してきました。
戦後も連合国によって航空産業が禁止されていた数年間を除いてコックピット計器・表示器を作り続けており、特に高度計、昇降計、対気速度計などの空盒計器は国内オンリーワン・メーカーです。
1967年には海外市場への足掛かりとして、米国カンザス州ウィチタに100%子会社「United Instruments社」を設立。
UI社を通して、セスナやビーチクラフト、パイパー・エアクラフトなど、自家用・遊覧飛行・農薬散布などの目的で主に北米で広く使われている軽飛行機(ジェネラル・アビエーション機)向けに各種メカニカル計器を供給しています。

また1981年には、スタンバイ高度計「LK-35」シリーズを米国ボーイング社の旅客機に供給開始しました。
ボーイング737、747、757、767向けに3,000台以上が納入されています。
私たちはボーイング社のTier 1サプライヤーとして、今も現役で世界のエアラインに運用されているLK-35のプロダクト・サポートを行なっています。

ボーイング757に搭載された
LK-35スタンバイ高度計
東京航空計器は現在に至るまで、空盒計器のようなメカニカル計器を作り続けつつ、電気式・電子式の計器・表示器も製造しています。その歴代製品群は航空計器の発展の歴史そのものと言えるでしょう。