ピトー管とは?
ピトー管が測るもの
ピトー管について調べると「飛行機の速度を測る装置」と書かれていることがありますが、正確に言うと速度を直接測っている訳ではありません。
ピトー管は、気体や液体などの流体の総圧 を計測する装置です。
総圧だけでなく静圧も測れるタイプも有り、そちらはピトー静圧管と呼ばれます。
総圧とは、「静圧(静止した状態での流体そのものの圧力)」と「動圧(流体の運動エネルギーを圧力の単位で表したもの)」との和です。
これらの圧力値を用いて流体の速度を求めることができるのです。
発明当初は流れる水や船の速度を、飛行機が発明されてからは飛行機の速度を知るのにピトー管は用いられてきました。
航空機用ピトー管の計測対象の流体は、機体の進行方向から後方へ向かって流れる空気です。写真にあるように、一般的には機首に近いところに、管の開口部を進行方向へ向けて取り付けられています。
ピトー管は、気体や液体などの流体の総圧 を計測する装置です。
総圧だけでなく静圧も測れるタイプも有り、そちらはピトー静圧管と呼ばれます。
総圧とは、「静圧(静止した状態での流体そのものの圧力)」と「動圧(流体の運動エネルギーを圧力の単位で表したもの)」との和です。
これらの圧力値を用いて流体の速度を求めることができるのです。
発明当初は流れる水や船の速度を、飛行機が発明されてからは飛行機の速度を知るのにピトー管は用いられてきました。
航空機用ピトー管の計測対象の流体は、機体の進行方向から後方へ向かって流れる空気です。写真にあるように、一般的には機首に近いところに、管の開口部を進行方向へ向けて取り付けられています。

ピトー管(黄色い円内)と旅客機上の搭載位置例。
赤いタグのぶら下がったカバーは、開口部から
虫など異物が入るのを防ぐため駐機中に付ける。
飛行機の「速度」
速度は迎角(気流に対する翼の角度)と並んで飛行機が揚力を得るのに必要な重要要素です。飛行機の速度が速いほど揚力は増します。
ここでいう「飛行機の速度」とは、地上を走る乗り物の速度計に表示される「対地速度(単位時間あたりに地面の上をどれだけの距離進んだか)」とは異なり、空気と飛行機との相対速度である「対気速度」を指します。
たとえば「離陸速度300km/h」という飛行機があったとします。この飛行機が対地速度300km/hで滑走路を走っても、10km/hの追い風(=風速約2.8m/s)が吹いていると、相対速度である対気速度は290km/hにしかならないため離陸できません。逆に10km/hの向かい風なら、対地速度が290km/hに達した時点で対気速度は300km/hになり、飛行機は宙に浮き上がります。
対気速度は「ベルヌーイの定理」によって気流の動圧から求めることができます。ですが動圧そのものを測ることは不可能なため、ピトー管で総圧を、機体側面に空いた静圧孔で静圧を(またはピトー静圧管で総圧・静圧の両方を)計測し、そこから動圧、ひいては対気速度を算出するのです。
ここでいう「飛行機の速度」とは、地上を走る乗り物の速度計に表示される「対地速度(単位時間あたりに地面の上をどれだけの距離進んだか)」とは異なり、空気と飛行機との相対速度である「対気速度」を指します。
たとえば「離陸速度300km/h」という飛行機があったとします。この飛行機が対地速度300km/hで滑走路を走っても、10km/hの追い風(=風速約2.8m/s)が吹いていると、相対速度である対気速度は290km/hにしかならないため離陸できません。逆に10km/hの向かい風なら、対地速度が290km/hに達した時点で対気速度は300km/hになり、飛行機は宙に浮き上がります。
対気速度は「ベルヌーイの定理」によって気流の動圧から求めることができます。ですが動圧そのものを測ることは不可能なため、ピトー管で総圧を、機体側面に空いた静圧孔で静圧を(またはピトー静圧管で総圧・静圧の両方を)計測し、そこから動圧、ひいては対気速度を算出するのです。
豊富な開発・製造実績
ピトー管の原理は広く知られていますが、実際の航空機用ピトー管はノウハウの塊です。特に氷点下となる高高度を飛行する機体用のピトー管には、空気中の水分が付着・凍結して管を閉塞させないように電熱ヒーター線が組み込まれていますが、ヒーター線の加工には熟練の技術を要します。適切に加工しないとヒーター線にダメージを与えてしまいます。加工中に断線してしまえば取り除くことができますが、潜伏したダメージが機体搭載後に初期故障を引き起こすと一大事です。
東京航空計器は、航空機用ピトー管・ピトー静圧管を製造する国内唯一のメーカーです。1956年、当時の防衛庁技術研究本部との共同研究開発を始まりとして、60年以上にわたり数多くのピトー管を防衛省へ供給してきました。
また、JAXA(宇宙航空研究開発機構)の前身であるNAL(航空宇宙技術研究所)との共同研究で、総圧や静圧だけでなく機体の迎角と横滑り角の検出も可能な特殊ピトー管「多角錐台形5孔ピトー管」を開発。日本版スペースシャトルと呼ばれる宇宙往還機HOPEプロジェクトの小型自動着陸実験「ALFLEX」や高速飛行実証「HSFD」、静粛超音速機研究の小型実験機「NEXST-1」などの最先端研究に採用されました。
こうした実績から、私たちはピトー管の開発・設計・製造において一朝一夕では蓄積できない豊かなノウハウを有しているのです。
そして2021年現在、より信頼性の高い製品を求める国内外エアラインの声に応えるため、満を持して旅客機用ピトー管を開発中です。
東京航空計器は、航空機用ピトー管・ピトー静圧管を製造する国内唯一のメーカーです。1956年、当時の防衛庁技術研究本部との共同研究開発を始まりとして、60年以上にわたり数多くのピトー管を防衛省へ供給してきました。
また、JAXA(宇宙航空研究開発機構)の前身であるNAL(航空宇宙技術研究所)との共同研究で、総圧や静圧だけでなく機体の迎角と横滑り角の検出も可能な特殊ピトー管「多角錐台形5孔ピトー管」を開発。日本版スペースシャトルと呼ばれる宇宙往還機HOPEプロジェクトの小型自動着陸実験「ALFLEX」や高速飛行実証「HSFD」、静粛超音速機研究の小型実験機「NEXST-1」などの最先端研究に採用されました。
こうした実績から、私たちはピトー管の開発・設計・製造において一朝一夕では蓄積できない豊かなノウハウを有しているのです。
そして2021年現在、より信頼性の高い製品を求める国内外エアラインの声に応えるため、満を持して旅客機用ピトー管を開発中です。
