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飛行制御機器

飛行の制御 = 動翼の制御


飛行機の窓際席に座ると、写真のように翼の一部が立ち上がったり後ろに伸びたりするのを見られることがありますが、このような主翼や尾翼上にある板状の可動部分を「動翼」と呼びます。
動翼は、飛行機の3軸(ロール、ピッチ、ヨー)の姿勢を変えるためのエルロン、エレベーター、およびラダーの3つから成る一次操縦翼面(いわゆる舵面)と、スラットやフラップ、スポイラーなど主に揚力を増大または減少させるための二次操縦翼面に分けられます。

「飛行機の操縦」とは、エンジン出力の操作に加え、動翼を動かすことに他なりません。

飛行制御機器とは、この動翼を動かすシステムを構成している機器です。
東京航空計器は、フライト・コントロール・コンピュータ(FCC)およびアクチュエータ・コントロール・コンピュータ(ACC)という飛行制御機器を製造しています。

固定翼機の動翼の種類

上:飛行機の動翼の種類
下:各舵面の動きによる機体の姿勢変化(左からエルロン、ラダー、エレベーター)

FCCとACC

フライト・コントロール・コンピュータ(FCC)は、パイロットの操縦に対し、その時の機体コンフィグレーション(脚が下りているか・高揚力装置が稼働しているか等)やエンジン推力、また乱気流などといった諸要因を加味して、飛行制御則に従って最適な操舵角を計算し「どの動翼をどれだけ動かす」という信号を出力します。また、失速迎角に達するほどの機首上げやオーバースピードなど、空力や機体構造の限界を超えてしまうような操縦を防ぐための機能も有しています。このようにしてFCCは、パイロットの負担を軽減しつつ飛行を安定させます。

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US-2
OH-1
SH-60K

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アクチュエータ・コントロール・コンピュータ(ACC)は、動翼を駆動するアクチュエータをFCCからの指令に従って制御するとともに、駆動に必要な電気を供給する装置です。

ACC搭載機

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東京航空計器のFCC・ACCは、高性能なCPUを搭載し、高信頼性を確保するためのさまざまな技術が盛り込まれています。特にBIT(ビルト・イン・テスト = 外部テスターに拠らない、製品自体に組み込まれた自己診断機能)は、故障検出率100%に限りなく近く作りこまれています。

フライ・バイ・ワイヤ機でパイロットの操縦が動翼(舵面)を動かすまで

フライ・バイ・ワイヤ機で
パイロットの操縦が動翼を動かすまで

航空機の電動化を見据えて

大型機の動翼を動かすには大きな力が必要です。現在のアクチュエータは主に油圧式、つまりシリンダに作動油を出し入れする事によってピストンを動かし駆動力としていますが、ボーイング787やエアバスA380など最新鋭の飛行機では部分的に電気の力を使うアクチュエータが導入されています。

私たちは航空機の電動化を見据え、動翼を電気で動かすためのモーターを制御するモーター・コントローラの研究も行なっています。
2015~2019年度には国立研究開発法人・新エネルギー産業技術総合開発機構(NEDO)の航空機用先進システム実用化プロジェクトに採択され、委託研究としてモーター・コントローラを含む次世代飛行制御/操縦システムの研究開発を行ないました。

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